株式会社玄同鑑定事務所からのお知らせ
朝日山平等院鳳凰堂
2022-06-29
宇治にも沢山のお寺があるが、こちらに勝る有名な寺はないであろう。
もともと源の融の別荘で、藤原道長も別荘として使い、頼通が始めてお寺としたものである。山号は朝日山といい、鳳凰堂は東を向いて建てられており、池も東側にある。朝日は、池面に反射し神々しく堂を照らし、夜には東側から上った月が池面に映り、素晴らしい情景となる。
鳳凰堂の北側には、源頼政が、以仁王を担いで平家を討とうとしたがこれがならず、自害し果てた「扇の芝」がある。頼政は文武両道に長じた傑出した人物であり、宮中の鵺退治でも有名であるが、かくなる人物も時節を違えたか見果てぬ夢を可惜した。
鵺は、頭は猿、足は虎、尾は蛇、胴体は狸という妖怪であるが、宮中を跋扈し困り果てた天皇は頼政を指名し、頼政は見事一矢でこれを仕留めるわけであるが、この話を鵺の側から描いた謡曲がある。題名は「鵺」。
鵺は、自分の不幸を嘆き悲しみ、これに反し英雄となった頼政を恨みかつ羨ましがるわけである。しかし、その頼政も最期は謀反人となり自害し果てる身となる。
鵺も頼政も、時流にのれば、果ては同じ。常なし。