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適用指針

範囲及び用語の定義

2,本適用指針を適用する範囲及び用語の定義は、会計基準と同様とする。

賃貸等不動産の範囲

 
3,連結財務諸表において賃貸等不動産の時価等の開示を行う場合(会計基準第3項)、  賃貸等不動産(会計基準第4項(2))に該当するか否かの判断は連結の観点から行う。
 したがって、例えば、連結会社間で賃貸されている不動産は、連結貸借対照表上、 賃貸等不動産には該当しないこととなる。

 
4,賃貸等不動産は、貸借対照表上、通常、次の科目に含まれている。
(1)「有形固定資産」に計上されている土地、建物(建物附属設備を含む。以下同じ。)、構築物及び建設仮勘定
(2)「無形固定資産」に計上されている借地権
(3)「投資その他の資産」に計上されている投資不動産

 
5,ファイナンス・リース取引に該当する不動産については、貸手において賃貸等
 不動産には該当せず、借手において当該不動産が会計基準 第4 項(2)に該当する場合には、賃貸等不動産となる。

6,不動産を信託財産としている信託(不動産信託)の受益者は、原則として、不動産を直接保有する場合と同様に処理することから、その信託財産である不動産が会計基準第4項(2)に該当する場合には、受益者は当該不動産の持分割合に相当する部分を賃貸等不動産として取り扱うこととなる。

7,物品の製造や販売、サービスの提供、経営管理に使用されている部分と賃貸等不動産として使用される部分で構成される不動産について、賃貸等不動産として使用される部分は、賃貸等不動産に含めることとしているが(会計基準第7 項)、当該部分を区分するにあたっては、管理会計上の区分方法その他の合理的な方法を用いることとする。

賃貸等不動産に関する注記事項

 
賃貸等不動産の総額に重要性が乏しい場合
8,賃貸等不動産を保有している場合において、賃貸等不動産の総額に重要性が乏しいときは注記を省略することができる(会計基準第8 項ただし書き)。当該賃貸等不動産の総額に重要性が乏しいかどうかは、賃貸等不動産の貸借対照表日における時価を基礎とした金額と当該時価を基礎とした総資産の金額との比較をもって判断することとする。

賃貸等不動産の概要
9,賃貸等不動産の概要(会計基準第8項(1))には、主な賃貸等不動産の内容、種類、場所が含まれる。
 賃貸等不動産の貸借対照表計上額及び期中における主な変動

10,賃貸等不動産の貸借対照表計上額及び期中における主な変動(会計基準第8項(2))を注記するにあたっては、次の事項に留意する。
(1)この注記は、原則として取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額(減損損失累計額を取得原価から直接控除している場合を除く。以下同じ。)を控除した金額をもって行う。
 ただし、当期末における減価償却累計額及び減損損失累計額を別途記載する場合には、取得原価をもって記載することができる。この場合には、当期末における取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額についても記載する。
(2)貸借対照表計上額に関する期中の変動に重要性がある場合には、その事由及び金額を記載する。

 
賃貸等不動産の当期末における時価及びその算定方法
11,賃貸等不動産の当期末における時価とは、通常、観察可能な市場価格に基づく価額をいい、市場価格が観察できない場合には合理的に算定された価額をいう(会計基準第4項(1))。賃貸等不動産に関する合理的に算定された価額は、「不動産鑑定評価基準」(国土交通省)による方法又は類似の方法に基づいて算定する。
 なお、契約により取り決められた一定の売却予定価額がある場合は、合理的に算定された価額として当該売却予定価額を用いることとする。

 
12,第三者からの取得時(連結財務諸表上、連結子会社の保有する賃貸等不動産については当該連結子会社の支配獲得時を含む。以下同じ。)又は直近の原則的な時価算定(第11項参照)を行った時から、一定の評価額や適切に市場価格を反映していると考えられる指標に重要な変動が生じていない場合には、当該評価額や指標を用いて調整した金額をもって当期末における時価とみなすことができる。
 さらに、その変動が軽微であるときには、取得時の価額又は直近の原則的な時価算定による価額をもって当期末の時価とみなすことができる。

13,開示対象となる賃貸等不動産のうち重要性が乏しいものについては、一定の評価額や適切に市場価格を反映していると考えられる指標に基づく価額等を時価とみなすことができる。

14,賃貸等不動産の時価を把握することが極めて困難な場合は、時価を注記せず、重要性が乏しいものを除き、その事由、当該賃貸等不動産の概要及び貸借対照表計上額を他の賃貸等不動産とは別に記載する。

15,賃貸等不動産の当期末における時価は、当期末における取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額(第10 項(1)参照)と比較できるように記載する。

賃貸等不動産に関する損益
16,賃貸等不動産に関する損益(会計基準第8 項(4))を注記するにあたっては、次の事項に留意する。
(1) 財務諸表において賃貸等不動産の損益の注記を行う場合、損益計算書における金額に基づくこととなる。この際、損益計算書において、賃貸等不動産に関して直接把握している損益のほか、管理会計上の数値に基づいて適切に算定した額その他の合理的な方法に基づく金額によって開示することができる。
(2) 重要性が乏しい場合を除き、賃貸等不動産に関する賃貸収益とこれに係る費用(賃貸費用)による損益、売却損益、減損損失及びその他の損益等を適切に区分して記載する。
(3) (2)の損益については、収益と費用を総額で記載することができる。
 また、賃貸費用は、主な費目に区分して記載することができる。

賃貸等不動産として使用される部分を区分しない場合の取扱い
17,物品の製造や販売、サービスの提供、経営管理に使用されている部分と賃貸等不動産として使用される部分で構成される不動産について、賃貸等不動産として使用される部分は、賃貸等不動産に含めることとしているが(会計基準第7 項)、当該部分の時価又は損益を、実務上把握することが困難である場合には、賃貸等不動産として使用される部分を含む不動産を区分せず、当該不動産全体を注記の対象とすることができる。この場合には、その旨及び当該不動産全体について会計基準第8 項の注記事項(連結財務諸表上において当該不動産全体に関する損益の開示を行う場合、連結損益計算書における金額に基づく。)を他の賃貸等不動産とは別に記載する。

その他の留意事項
18,本適用指針による注記事項のうち、他に同様の開示が行われている場合には、その旨の記載をもって代えることができる。

適用時期

19,本適用指針の適用時期は、会計基準と同様とする。

議決

20,本適用指針は、第166 回企業会計基準委員会に出席した委員13 名全員の賛成により承認された。

株式会社玄同鑑定事務所
愛知県名古屋市中村区名楽町4-16
TEL.052-482-2641
FAX.052-482-4961
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不動産鑑定業務

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・不動産鑑定士2名
・不動産鑑定士補1名
・国土交通省登録補償コンサルタント2477号 
・(社)日本不動産鑑定協会会員 
愛知県知事登録第139号 

 

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